出資の種類で評価方法は変わる
「出資の相続税評価方法」について、代表的なものを解説しています。
旧有限会社への出資の評価方法
現在、有限会社は設立できません。
また、既存の有限会社は「株式会社」として扱われます。
よって、上場株式ではない会社株式の評価方法と同じ【取引相場のない株式の評価方法】で評価することになります。
持ち分会社への出資の評価方法
持分会社とは、
- 合名会社
- 合資会社
- 合同会社
のことをいいます。
これらの会社は、原則、【取引相場のない株式の評価方法】で評価することになります。
ただし「合名会社・合資会社の無限責任社員が死亡した場合」で、かつ、「出資持分の相続について、承継できる旨の定めが定款にない場合」の評価は、【持分払戻請求権】で評価します。
具体的には、以下のようになります。
- 債務超過の場合:0円評価
- 払戻し金額が未確定の場合:純資産価額による評価
- 払戻し金額が確定している場合:(払戻し金額 - みなし配当に係る源泉)
医療法人への出資の評価方法
医療法人には「社団や財団」、社団の中でも「持ち分の定めのあるもの・ないもの」があります。
この中で「医療法人の社団で持ち分の定めのあるもの」だけ相続税評価します。
それ以外は評価しません。
評価方法は【取引相場のない株式の評価方法】に準じて評価します。
準じて・・なので、違いもあります。
具体的には、以下の点が異なってきます。
- 配当還元方式がない
- 類似業種比準方式に配当要素がない
- 同族株主等の議決権割合が、50%以下のグループに対する、20%の評価減の適用がない
その他の出資の評価方法
その他の出資として、農業協同組合、生活協同組合などへの出資もあります。
これらは原則、「払込済の出資金額」で評価します。
また、企業組合等の出資は「純資産価額」で評価します。
ただ、同族株主等の議決権割合が、50%以下のグループに対する、20%の評価減の適用はありません。